【映画】【ルビー・スパークス】 オタクの虚構と現実の錯綜が生む現代のおとぎ話
「ルビー・スパークス」を観た
恋愛に関して思うことは様々だが
オタク男子のエゴを詰め込んだ
ある意味、理想的で
ある意味、現実的な
女の子像がゾーイ・カザンによって
具現化されていた。
大まかなストーリー↓
極度のスランプに陥った
天才小説家カルヴィンは
理想の女の子
を主人公にした
小説を書き始めると
現実の世界に
ルビーが現れる
タイプライターで
思い通りの女の子を作り上げる
カルヴィンと
彼の手で
ますます魅力的になっていく
ルビーは
最高の日々を送る
が、ある日
ルビーに異変がが起こり
問題が表面化していく。
主人公のエゴによって
ルビーの七変化する女性像は
観ている人に
様々な感情沸き起こす。
理想的な女性を
求めれば求めるほど
適度な距離感は
掴みづらくなり
理想と現実の
ギャップに苦しむ姿は
おとぎ話のような
ストーリーの中に
リアリティを生み
魅力的な世界観を
楽しませてくれる
特に
ルビーとカルヴィンが
テンションMaxで
ゲーセンへ向かい
ひたすらイチャイチャ
するシーンは
使われている音楽も
絶妙で良かった
実際のシーンは
是非自分の目で
確認してほしいので
ここでは音源だけを
→Ca plane pour moi - Plastic Bertrand
Ça Plane Pour Moi - Plastic Bertrand
自分にとって
理想的な女性像とは
何なのかを
楽しみながら
改めて考えさせられる
おとぎ話。
【小説】社会人にこそお勧めしたい武者小路実篤「幸福論」
武者小路実篤の小説を
読んだことはありますか?
名前だけ知ってる
という方も多いのではないでしょうか
実篤は白樺派を代表する作家で
理想主義的・空想社会主義的行動には
現実離れしていると批判もありました
しかし
彼の作品は
社会人になってから
生きていくうえでの「軸」
のようなものを見失っていた人に
支えとなる言葉をくれます
そこで今回は
作者の理想の人間像を描いた
「幸福論」を読んで
心に残った一節を
まとめてみました
実篤の言葉の魅力に
少しでも興味を持った方は
是非他の著書を手に取って欲しいです。
自分の中で
正しい生き方とは何か
モヤモヤしていた部分が
晴れるかもしれません
- 「馬鹿なものは独身の間は結婚した時のよろこびを空想し、結婚すると独身の時のよろこびを空想する。」
- 「笑われるのを恐れるよりは心にないことを云うのを恐れなければならない」
- 「この世を仮の世の中とするにはあまりにも美しすぎる。空の色、水の色、草木の色、それ等の美しさは無限を思わせる。」
- 「趣味は馬鹿にはできない」
- 「花を見て美しいと云う。それが本当に美しく思って云ってみたのなら、それは心の清い時だ。」
- 「卑しいものは趣味が見栄から出でて、結果を意識してる」
- 「真理の力は人が自覚する自覚しないに関わらず、恐ろしく強い」
- 「本当のことを見ずに理屈でものを見ると、折角面白いことが面白くなくなる」
- 「愛想をつかしても人間は人間だ。人間らしいこときり出来ない。」
少し宗教的な感じがして
受け付けない方も
いるかもしれないですが
響く人には
一生大切にしてきたい
言葉が見つかるかもしれません
たった一文が
毎日に彩りを与えてくれる
瞬間は大人になっても
素晴らしい体験です。
少し難しいと思った方には「友情」が
ストーリーも分かりやすく
武者小路実篤の入門にお勧めの一冊です
【映画 天然コケッコー】夏帆とレイハラカミ=ゼロ年代の奇跡
「天然コケッコー」を観た
夏の映画を見て少しでも
温かい気持ちになりたい
あの頃の
純粋を絵にかいたような
夏帆が観たい
というかなり
適当な理由で観始めた。
「天然コケッコー」は
全校生徒6人の田舎の中学に
やってきた転校生(岡田将生)と
田舎の中学3年生のそよ(夏帆)が
誰もが経験した“初恋"のきらめきを描く
あるシーンで
どこか聞き覚えのある
音楽が流れる
初めて聴く曲なのに
耳に馴染む
優しい音楽
調べてみると
レイハラカミ氏が
音楽を担当しており
「なるほどな」と
妙に納得してしまった。
正直
内容だけをみたら
少し物足りない部分も
あるかもしれないが
「天然コケッコー」の良さは
子供の頃に誰もが
確実に感じれた
夏の日常体験を
大人になって再認識
できる点だと思った。
夏帆たち学生の
日常風景に
レイハラカミ氏の音楽が
重なることで
当時のきらめきを
視覚と聴覚で
楽しむことができた。
幼い時に
感じることができた
あの夏の日常には
レイハラカミ氏の音楽は
なかった
けれども
レイハラカミ氏の音楽は
夏の田舎で生活する
夏帆と一緒に
私たちに
あの頃の感覚を
思い出す手助けをしてくれる
映画と音楽の不思議な力
ゼロ年代が生んだ
奇跡だなと
勝手に
感動してしまった。
【漫画】「冒険エレキテ島」とあの頃観たジブリ映画
鶴田謙二氏の漫画を読むと
表情による感情表現が
本当に素晴らしいな
と感動してしまう。
言葉ではなく
表情からキャラクターの
心情が読み取れ
共感できた時の
あの高揚感は
なんていうんだろう。
特に最近読んだ
「冒険エレキテ島」は
祖父の遺志を継いだ、
女性パイロットが
愛猫とともに幻の浮き島
「エレキテ島」を追い求めるお話
主人公の自由奔放な生き方や
豊かな表情から伝わる
未知のものに対する感動
まるでその世界に入り込んだかのような
素晴らしい風景のかき書き込み
読み進めるごとに
どこか
懐かしい気持ちにしてくれた
この気持ちはなんだろう
と思ったときに
一番しっくり来たのが
自分が幼いころに
金曜ロードショーをVHSに録画して
毎週のようにみていた
ジブリ映画を見ているときの
ワクワク感に限りなく近い
ものを感じていた。
ストーリーの中の舞台である
日常風景そのものさえも
輝いて見えた
一種の羨望の目を持ちながら
何度見ても
没入できるあの感じ
社会人になってから
確実に忘れていた
けれど
社会人になってからこそ
わかるあの頃の感動が
どれだけ豊かな事だったか
再認識させてくれる
それだけで
「冒険エレキテ島」を
手に取ってみる価値はあると思う
【独断と偏見】凡人が観た「ボヘミアンラプソディー」
最近、人と会うと「ボヘミアンラプソディー」を
観たか、観てないかの話題が高確率で取り上げれる
正直、クイーンに疎い私は
落ち着いたら見に行けば良いか
程度に思っていた。
そこで先日の金曜夜
上司の飲みを華麗にスルーした私は
レイトショーで「ボヘミアンラプソディー」を観た。
最低限のビジュアルと
音楽に関しては
知っていたので
役者の完成度
ライブシーンのクオリティー
エンドロールの本人映像
が相まって
最高のライブ体験だった。
ここからが独りよがりの感想
保守派の親に育てられ
家庭環境も決して悪いわけではく
音楽的才能をフルに生かして
クイーンとしての栄光を駆け上っていく
自信と才能と行動力で乗り越え
伝説として名を残すのだが
才能も自信もないからこそ
音楽に逃げ込んでいるような
自分としては
あまりにも超人的な話過ぎて
心から共感できなかった
才能がある人は
破滅的な行動から
身を削りながらも
音楽で自らの道を切り開いていける
だからこそ
フレディマーキュリーのような
存在が伝説として残るんだろうと
一夜してから思う。
でも結局
音楽にすがりながら生きていく
凡人の自分は
「サラダデイズ」のような
ストレートエッジ的ライフスタイル
から生まれるDIYの音楽のほうが
よっぽど親近感が湧くし
夢があるなと思ってしまう
挙句の果てには
映画と全く関係ないのだけれど
鑑賞後
階段を下りていると
併設されてた
ゲームセンターで
一人女性が腰を丸めながら
コインゲームを
つまらなそうにやっているのを見て
あの女性の生い立ちのほうが
よっぽど共感できることが
多いのだろう
勝手に思いながら帰路についていた。
【それでも町は廻っている】歩鳥が見せてくれる本来の世界
石黒正数氏による
の主人公
嵐山歩鳥は嘘をつかない
幸せになりたいなら
正直に生きろ
という言葉を聞いたことがあるが
それを具現化したような存在で
そんな子の周りには
この町、この生活に何らかの
不安を持った人たちが
集まってくる
だれもが持っていた
誰も傷つけることのない
素朴な喜怒哀楽を
見せてくれる歩鳥は
知らぬ間に
周りの人たちを
惹きつけていて
そんな子が
身近にいるだけで
世界の見方が
ガラッと変わるかもれない
あの頃の気持ちを
取り戻せるのかな
そう思えるだけで
十分救われてるお話。